2026.06.02
安全運転管理者とは?会社の選任義務違反で書類送検へ

1. 事案の概要
2025年12月11日、警視庁交通捜査課は、埼玉県三郷市内にある医薬品運送会社と同社の男性役員を安全運転管理者の不選任等の容疑で書類送検しました。
記事によれば、同年7月、同社に派遣されていた男性が運転する自動車がJR四ツ谷駅前で大学生二人をはね重軽傷を負わせた事故について、当時自動車を運転していた男性が熱中症で意識を失っていた可能性があったとして、業務で自動車を運転する前に、会社として、運転手への安全管理等が不十分であったことが事故の遠因になったとみられています。
2. 安全運転管理者とは?
一定台数以上の自動車を使用する企業や事業所では、安全な運転に必要な業務を行う者として安全運転管理者を選任する義務があります。
安全運転管理者の選任が必要な自動車の台数としては、
・乗車定員が11人以上の自動車 1台以上
・その他の自動車 5台以上
※大型自動二輪車または普通自動二輪車はそれぞれ1台を0.5台として計算
※台数が20台以上40台未満の場合は、副安全運転管理者を1人、40台以上の場合は、20台を増すごとに1人の副安全運転管理者の選任が必要
安全運転管理者等の要件としては
・安全運転管理者 20歳以上(副安全運転管理者が置かれる場合は30歳以上) 自動車の運転の管理に関し、2年以上の実務の経験を有する者等
・副安全運転管理者 20歳以上 自動車の運転の管理に関し、1年以上の実務の経験を有する者等
※いくつかの欠格事項があります。
安全運転管理者の業務は、
・運転者の状況把握
・安全運転確保のための運行計画の作成
・長距離、夜間運転時の交代要員の配置
・異常気象時等の安全確保の措置
・点呼等による過労、病気その他正常な運転をすることができないおそれの有無の確認と必要な指示
・運転者の酒気帯びの有無の確認(目視等で確認するほか、アルコール検知器を用いた確認を実施)
・酒気帯びの有無の確認内容の記録・保存、アルコール検知器の常時有効保持
・運転日誌の備え付けと記録
・運転者に対する安全運転指導

安全運転管理者等の選任をしたときは、選任した日から15日以内に都道府県公安委員会に届け出なければいけません。
安全運転管理者を置かなければいけないのは、運送会社だけではありません。
営業車や社用車、訪問介護の車両などでも1拠点あたりの台数が一定台数以上であれば選任義務が生じます。
また、2025年4月からは、黒ナンバーの軽バン運送にも新たな安全管理者制度が導入され、車両管理に関する法規制は強化されているといえます。
3. まとめ
「うちは小さな会社だから」と後回しにしてしまうと今回のケースのように刑事責任を負うおそれがあります。
自社の自動車保有台数と安全運転管理者の選任・届出状況を一度見直してみましょう。
虎ノ門法律経済事務所では経営者の皆様からの労務に関するご相談も随時受け付けております。お気軽にご相談ください。







