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2026.08.17

労働審判対応とは?相談の流れや費用、解決金の相場などについて弁護士が解説!

労働審判対応とは?相談の流れや費用、解決金の相場などについて弁護士が解説!
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山内 裕喜

弁護士
虎ノ門法律経済事務所 千住支店
千住支店長
法律相談にいらっしゃる皆様の声に真剣に耳を傾け、問題の本質を捉え、お客様と共に問題解決のために努力することに大きなやりがいを感じています。当事務所に相談して本当に良かったと思っていただけるように誠意をもって対応いたします。

1 労働審判(制度)とは?

労働審判(制度)とは、労働者と事業主(会社)との間の労働関係のトラブル(解雇や給与の不払いなど)を解決するための裁判所における紛争解決手続きのことです。

個別労働関係紛争を対象とし、地方裁判所に設置される、裁判官(労働審判官)と労働関係についての専門知識経験を持つ者(労働審判員)によって構成される労働審判委員会が、原則として3回以内の期日において事件を審理し、調停による事件の解決を試みつつ、事案の実情に即した解決案(労働審判)を定める非訟事件手続をいいます(労働審判法1条参照)。

平成18年(2006年)4月1日から施行された比較的新しい制度です。

 

この労働審判には主として次の①から⑥のような特色があります。

 

労働審判制度6つの特色

(1) 個別労働関係紛争についての手続であること

個別労働関係紛争が審判の対象になります。

個別労働関係紛争とは、個々の労働者と使用者との個別的な雇用関係(労働関係)において生じた紛争をいいます。解雇の効力が争われる場合等が典型的な例といえます。

これに対し、ストライキ等のように労働者の集団である労働組合と使用者との関係において生じた紛争を集団的労使紛争といいます。集団的労使紛争は、労働審判の対象外ということです。

 

(2) 裁判所での手続であること

裁判官と労働審判員から構成される労働審判委員会が審理や判断の主体となるものの、あくまで裁判所における紛争解決手続です。

 

(3) 労働関係の専門知識を有する者が参加する手続であること

職業裁判官1名と労働関係の専門知識を有する労働審判員2名によって構成される合議体(労働審判委員会)が運営の主体となります。

労働審判委員会の決議は、過半数の意見によるものとされています(労働審判法12条1項)。そのため、労働審判員は、職業裁判官と対等な立場で事件に関する評議をし、審判をするという強い権限を持っていることになります。労働関係に関する専門的な知識や経験を生かした労働紛争の解決を図ることを目的としています。

労働審判員には、労働者側としては労働組合の役員、使用者側としては人事労務担当者等が選任されることが多くなっています。もっとも、労働者側、使用者側といっても、労働審判員は、一方当事者の味方をするのではなく、あくまで中立かつ公正な立場で事件を審理し、評議に参加します。

 

(4) 非訟事件手続であること

非訟事件とは、裁判所が私人の生活関係に関与する事件のうち訴訟事件以外のものをいいます。訴訟手続は民事訴訟法によって規定されているのに対し、非訟事件手続は非訟事件手続法等によって規定されています。非訟事件手続である労働審判手続には、非訟事件手続法の規定が数多く準用されています。

労働審判手続においては調停による解決をいつでも試みることができること、すなわち手続の中に調停を包摂しているという手続上の特徴があります。

また、もう一つの大きな特徴として、労働審判手続は非公開で行われます(労働審判法16条)。ただし、労働審判委員会は、相当と認める者の傍聴を許すことができます。

 

(5) 迅速かつ簡易な審理手続であること

労働審判手続は、特別の事情がある場合を除き、3回以内の期日において審理を終結しなければならないとされています(労働審判法15条2項)。この規定を受けて労働審判規則には具体的な定めがあり、第1回期日において労働審判委員会は当事者の陳述を聴いて争点及び証拠の整理をすることまでが必要であり、当事者はやむを得ない事由がある場合を除き、第2回期日が終了するまでに主張及び証拠書類の提出を終えなければならないとされています。

 

(6) 異議申立てによって訴訟移行すること

審判に対して適法に異議を述べると審判は失効するものの、手続は終了せずに、審判の申立ての時に、労働審判事件が係属していた地方裁判所に訴えの提起があったものとみなされます(労働審判法21条3項、22条1項)。訴訟との連携を図ることにより、最終的には強制力のある訴訟手続での紛争解決が可能となっており、紛争解決の実効性が確保される仕組みとなっています。

 

2 労働審判と訴訟は何が違うの?

労働審判は民事訴訟といった訴訟事件とは異なり、非訟事件を対象としています。

 

では、訴訟事件と非訟事件との違いは何かということになりますが、概ね次のように理解されています。

まず、権利や義務の確定をすることが目的ではなく、法律関係の形成が目的であることです。次に、手続の進行において訴訟事件のような厳格な方式や当事者主義・弁論主義が要求されていないということです。もう少し分かり易く説明すると、労働審判では必ずしも実体法上の権利の実現に限られず、手続の経過をふまえて、権利関係の確認、金銭の支払や物の引渡しのほか、紛争解決のために相当と認める内容の審判をするなど、柔軟な解決をすることができます。

例えば、労働者が解雇の無効を争っている場合に、手続の経過において、労働者が必ずしも職場復帰を望んでおらず、使用者も金銭的な解決に反対していないのであれば、解雇の有効・無効といった法的効果に限定されることなく、金銭補償を内容とする審判をすることが可能ということです。労働者が解雇無効の審判を得て職場復帰を果たしたとしても、その後に「針のむしろ」に座る思いをさせられることになるのであれば、解雇を受け容れた上で金銭的な補償を受けた方が労働者にとって再スタートを切りやすい場合があります。このことは同時に使用者側にとってもプラスになること(メリット)が多いといえます。

 

労働訴訟と労働審判の手続きの流れを比較した図

3 労働審判の申立について

原則として、就業場所の所在地を管轄する地方裁判所の本庁に申立書等を提出します。地方裁判所には多くの支部がありますが、労働審判の管轄権をもつ裁判所の支部は限られており、現在では以下の5支部のみとなっています。

使用者側の視点で考えると、会社の所在地を管轄する地方裁判所がどこなのかを予め知っておくことは、将来の労働審判に対する備えにもなりますから、是非とも今のうちに確認しておいてください。

 

労働審判の管轄権をもつ裁判所の支部

・東京地裁立川支部

・静岡地裁浜松支部

・長野地裁松本支部

・広島地裁福山支部

・福岡地裁小倉支部

 

4 労働審判の具体的な流れと会社側の対応方法について

東京地方裁判所での原則的な運用は次のとおりです。

第1回期日の冒頭に争点の確認が行われます。その後、直ちに審尋手続を開始し、労働審判官から当事者及び出頭した関係者に対して矢継ぎ早に質問が行われます。労働審判官からの質問が終わると、次は、労働審判員から必要に応じて当事者及び関係者に対して質問があります。最後に、双方の代理人(弁護士)からの補充質問があれば、質問を実施します。これらの審尋手続が終了した段階で、労働審判官と労働審判員は審尋手続によって形成した心証に基づいて評議を行います。この評議によって解決の方向性を見極め、直ちに調停に入ります。このように初日となる第1回期日において、調停の試みまで行うというのが原則的な運用です。

 

また、大阪地方裁判所や福岡地方裁判所においても、第1回期日に審尋を行い、その結果をふまえて、第1回期日に調停案を提示するという運用になっています。

 

このような運用の実態からわかることは、第1回期日こそが労働審判の天王山であって、実質的な勝敗は第1回期日で決まるといっても過言ではないということです。会社側としても、初動において最大限の攻撃防御を尽くさなければならず、第1回期日の前に、複数の解決の方向性を視野に入れたうえで、十分な準備をする必要に迫られることになります。

 

5 訴訟移行する場合の労働審判の流れとは?

先述したように労働審判手続期日の第1回期日から調停案を提示されます。労働審判手続期日は原則として3回以内とされていますから、この期日内に当事者双方が調停案に合意すれば調停成立となり、紛争は解決します。

これに対し、当事者双方の主張に大きな隔たりがあり、当事者の双方ないし一方が調停案に難色を示したり、合意できない旨を表明したりしている場合は調停の成立は難しくなります。労働審判委員会が調停を不成立とした場合、労働審判手続に移行し、審理終結の宣言を経て、審判の言渡しがなされます。

審判の言渡しは、①審判書を作成して当事者に送達する方法、②主文と理由の要旨を口頭で告知する方法のいずれかで行われます。ただし、労働審判の実務上、手間のかかる審判書の作成は行われず、口頭で審判を言い渡されることがほとんどです。審判の効力が生じるのは、審判書の場合は審判書が送達された時、口頭の場合は告知された時です。審判の効力が生じてから2週間以内に当事者のいずれからも異議が出されなければ、審判が確定し、審判の内容は「裁判上の和解」と同一の効力を有することになります(労働審判法20条、21条)。

労働審判に対して当事者のいずれかから異議申立てがあると、審判は失効し、訴訟に移行します。この移行により、労働審判事件が係属していた地方裁判所に訴えの提起があったものとみなされます(労働審判法21条3項、22条1項)。

 

使用者・会社側としては、調停が不成立になった場合、訴訟に移行する可能性が高いことを念頭におく必要があります。そのため、労働審判委員会が提示する調停案を検討するにあたっては、譲歩の余地の有無のほか、訴訟になった場合のコスト負担、今後の企業活動や企業イメージに与える影響等を慎重かつ総合的に考慮して判断しなければなりません。その判断はまさにケースバイケースの判断となりますので、会社側の事情を十分にくみ取ることができる弁護士に相談することを強くお勧めします。

 

6 労働審判を放置する会社側のリスク

会社側が労働審判手続期日に欠席すると、労働者側の申立てを争う意思がないものとして欠席裁判ならぬ欠席審判が出されるリスクが極めて高くなります。

労働審判が確定すると上述したとおり「裁判上の和解」と同一の効力が生じます。この「裁判上の和解」には、確定判決と同じ効力が認められていますから、労働審判を申し立てた労働者は、審判書に基づいて、さらに会社に対する強制執行の申立ても可能になります。このようなリスクがあることから、会社側が第1回労働審判期日を欠席することは稀であり、ましてや労働審判を放置することなどあり得ないと考えるべきです。

 

7 労働審判の答弁書の書き方とは?

第1回期日こそが労働審判の天王山であって、実質的な勝敗は第1回期日で決まることについては既に説明したとおりです。そして、この第1回期日における実質的な勝敗は、その期日の前(通常、1週間前まで)に提出した答弁書の出来・不出来によって大きく左右されることになります。

答弁書は、申立人(労働者)が裁判所に提出した労働審判申立書に対する相手方(使用者側)の態度を明らかにする目的で作成する書面です。その目的をふまえて必要となる記載事項は概ね次のとおりです。
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①申立の趣旨(申立人が裁判所に対して判断を求めている結論部分)に対する答弁

②申立の理由(申立の趣旨を法律的に導くための具体的な法律構成及びその適用の基礎となる事実関係)に対する認否及び否認する場合はその理由

③答弁(使用者である相手方の主張)を理由づける具体的な事実及び抗弁事実(申立人の主張ないし請求を法律的に排斥させるため、相手方が主張する事実)

④予想される争点及び当該争点に関連する重要な事実

⑤予想される争点ごとの証拠

⑥紛争の発生から申立に至るまでの当事者間の交渉経緯等の概要

労働審判事件は、非訟事件であり、いわゆる弁論主義の適用はありません。そのため、使用者側も主張・立証責任にとらわれることなく、問題となっている労働事件の全体像について、労働審判委員会の構成メンバーである労働審判員にとって分かり易い説明を心掛けることが肝要です。また、労働審判員は非常勤であり、労働審判員が主張書面を検討する時間を確保するという観点から、答弁書の提出期限を守ることも極めて重要です。

 

8 労働審判対応を弁護士なしに自分で対応するデメリット

第1回期日は原則として変更ができません。

申立てを受けてから第1回期日までの期間は原則として40日以内とされています。実際には、答弁書等の提出期限が第1回期日の数日前に指定されますから、1か月程度の準備期間しかないことになります。

このわずかな準備期間に、審判の申立てを受ける側(使用者側)としては、簡潔かつ充実した答弁書を提出することが求められます。また、答弁書と共に、証拠についても厳選したものを第1回期日前に提出する必要があります。

 

第1回期日においては、争点整理のみならず当事者等に対する事実審理まで行われますから、労働者のみならず、使用者にとっても、第1回期日が正念場です。それだけに、充実した答弁書と厳選した証拠を事前に準備できるかどうかで勝負が決まるといっても過言ではありません。使用者側にとっては、労働審判を申し立てられたこと自体が不本意であるばかりか、通常の多忙な業務の合間を縫って、短期間の内に、充実した答弁書の作成や証拠提出の準備を行うといった、いわば無理難題を強いられたのも同然です。

弁護士を立てることなく、使用者だけで労働審判に対応することは、使用者にとってデメリット(敗訴のリスク)が極めて大きいといえます。弁護士にご相談することを強く勧める理由はここにあります。

 

9 労働審判対応を弁護士に依頼する際の費用

労働審判の対応を弁護士に依頼する場合、委任契約締結時にお支払いいただく着手金と事件終了時にお支払いいただく成功報酬(報酬金)の2つが弁護士費用となります。この弁護士費用については、法律事務所ごとに異なりますので、ご依頼を検討されている法律事務所にご確認ください。

 

当事務所(本店)における労働審判対応の費用の目安は次のとおりです。

労働審判の着手金200,000円(税込220,000円)~

労働審判の報酬金200,000円(税込220,000円)~

以上の金額はあくまで目安であり、事件・事案によって金額の増減があります。

 

また、訴訟に移行した場合、別途、着手金・報酬金を申し受けることになります。

詳細につきましては、是非、当事務所にご相談ください。

 

10 労働審判で労働者が負ける場合は?実際の判例を紹介!

労働審判では労働者に有利になることが多いと言われていますが、労働者が負ける場合もあり、必ずしも労働者有利とは限りません。重要なことは、労働者側の主張を覆すだけの客観的な事実及びその事実を裏付ける証拠の有無であり、これによって労働審判の勝敗が決まることになります。

 

ここでは、使用者側が勝訴した判例・裁判例をいつくか紹介いたします。

 

(1) センチュリー・オート事件(東京地判・平成19年3月22日)

(事案)

被告会社の営業部長であった原告が、未払賃金と遅延損害金、時間外割増賃金・付加金、退職後の営業妨害を理由とする損害賠償を請求した事案。

 

(判断)

裁判所は、未払賃金と遅延損害金の請求を認めたものの、原告は労働基準法41条2号の管理監督者に当たるとして、割増賃金、付加金支払請求を棄却し、違法行為は認められないとして損害賠償請求を棄却しました。管理監督者に当たるか否かについては、遅刻・早退等を理由に基本給が減額されることはなかったこと、営業部の従業員の出退勤といった管理業務を担当していたこと、被告代表及び各部門責任者のみを構成員とする経営会議のメンバーであったこと、被告代表者、工場長に次ぐ高い給与を得ていたこと等を認定した上で判断しました。

 

(2) コンチネンタル・オートモーティブ事件(東京高決・平成28年7月7日)

(事案)

被告会社が、高度の能力を有するものと評価してマネージャー(課長に相当)として中途採用した原告に対し、能力不足や度重なる指導に対して反抗的態度をとり改善がみられなかったこと等を理由に解雇した事案。

 

(判断)

裁判所は、被告会社が度重なる個別指導をし、業務改善計画の実施、転勤及び実質的な降格という経過を経ており、意識改革を図る機会が十分に付与されていたことに照らし、今後も改善の余地がないと判断して解雇をしたことは合理性を欠くということはできず、解雇権の濫用にはあたらないと判断しました。

 

(3) 建設技術研究所事件(大阪地判・平成24年2月15日)

(事案)

業務上の精神疾患の完治後に、被告会社からの求めに応じず、長期間にわたり欠勤した原告を解雇した事案。

(判断)

裁判所は、本件解雇が、原告の精神疾患が完治したと認められる時期からみて、業務上の疾病にかかり、療養のために休業する期間及びその30日間になされたものとはいえないとして、労基法19条1項に違反しないと判断しました。さらに、被告会社が、原告に対し、欠勤状態として扱われていること、出勤するか休養の必要性を認める診断書の提出をするよう繰り返し求め、労働組合に対しても退職勧告をしたい旨を伝えた上で原告に退職勧告書を送付していることから、本件解雇に先立つ適正な手続を踏んでいるものとして、解雇権の濫用にあたらないと判断しました。

 

(4) ネギシ事件(東京高判・平成28年11月24日)

(事案)

従業員25名程度の小規模会社である被告会社が、再三にわたる注意・警告にもかかわらず、協調性を欠く言動や態度を改めなかったこと等を理由に原告を普通解雇した事案。

 

(判断)

裁判所は、原告の言動等は、単に職場の良好な人間関係を損なうという域を超えて、職場環境を悪化させ、被告会社の業務にも支障を及ぼすものとして、就業規則所定の解雇事由に該当すると判断しました。その上で、原告を雇用し続ければ被告会社の業務に重大な打撃となるという原告の主張(書面等の記録による裏付けはない)は首肯でき、小規模会社のため配置換えは困難であって解雇に代わる有効な代替手段がなく、再三にわたって注意・勧告してきたにもかかわらず、原告は態度を改めることはなかったと認定して、(懲戒処分を経ることなくいきなり解雇した)本件解雇は権利の濫用にあたらないと判断しました。

 

上記以外にも、使用者側が勝訴した判例・裁判例は数多くあります。また、多くの判例・裁判例の検討を通じて、何が勝訴のポイントであったのか、勝訴するには通常業務においてどんな点に気を付けるべきか等についても当事務所の弁護士にお気軽にご相談ください。

 

11 弁護士による労働審判対応

弁護士は使用者側の代理人として、労働審判の申立を受けてから1か月程度の内に、答弁書を作成し、証拠を厳選し、これらを裁判所に提出します。その提出の準備にあたっては、使用者ないし業務担当者と共に、申立書の内容を分析し、事実関係の確認や裏付けとなる証拠等を収集します。証拠によって裏付けされた事実関係が答弁書の根幹を成しますから、使用者側にとって有利な証拠の収集は極めて重要です。答弁書では、これらの事実関係や証拠を基に、使用者側にとって有利となる法律論を展開します。労働審判では、原則として、3回以内の期日で終了することになりますが、事案によっては4回以上の期日を要する場合もあります。その場合であっても、弁護士は、第1回期日から審判終了に至るまでの全ての期日に代理人として出頭します。

このように弁護士は、使用者が労働審判の申立を受けてから、労働審判の終結に至るまで、全ての手続に関与し、使用者を励まし、使用者と共に、労働審判を戦い抜くことになります。使用者側にとっては通常の業務こそが本業ですから、業務時間外での対応が可能な弁護士であればより一層安心です。是非とも共に戦えるだけの信頼に足りる弁護士を選任することを強くお勧めいたします。

 

12 労働審判対応における虎ノ門法律経済事務所の解決実績

(事案)

運送業

正社員で採用したトラックドライバー2名が退職後、残業代を請求してきた。会社の給与体系は基本給、時間外手当、深夜手当、割増賃金に別れていたものの、実際には1運行3万円を基本給だけに振り分けているだけだったので、3万円を日給として残業代を請求された。請求内容は3年間で1000万円近くになった。

 

(結論)

基本給、時間外手当、深夜手当は、残業代既払として計算し、その他を基本給に組み込み、1人あたり100万円での審判となった。

 

13 労働審判対応については弁護士にご相談ください

上述したように実際の労働審判では、第1回期日において、争点整理のみならず当事者等に対する事実審理まで行い、調停について両当事者の意向を確認します。そのうえで、第2回期日以降は調停の試みを中心とした進行となります。そのため労働審判手続は、労働者のみならず、使用者にとっても、第1回期日が正念場であることを肝に銘じておく必要があります。

このような迅速かつ計画的な審判手続に使用者側が対応するには、事前の準備が極めて重要であり、この点について疑問の余地はありません。

 

では、ここで求められる事前の準備というのは、労働者から審判の申立てを受けた後、第1回期日までの間における準備という意味でしょうか。いいえ、それでは遅すぎます。申立てを受けてから第1回期日までの概ね40日程度の期間(実際には答弁書等の提出期限が第1回期日の数日前に指定されることから1か月程度の期間)しかないことを考えれば、審判の申立てを受けてからでは遅いのです。申立てをする時期を選択できる労働者側と異なり、使用者側は短期間で密度の濃い準備をする必要に迫られます。そのため、将来的に労働審判の申立てが予想されるような労働紛争がある場合には、例えば解雇手続をする際に、事前に弁護士に相談するなどして、必要資料を整え、書面化しておくことが肝要です。特にこの点が使用者側にとって重要な留意点となります。

また、労働審判手続では、主張や証拠を第1回期日までに一括して提出することが予定されているため、当事者双方とも専門家である弁護士が代理人となっている割合が極めて高くなっています。しかしながら、使用者にとって、労働審判の申立て以前に証拠等を準備することや、短期間のうちに使用者側の事情を十分にくみ取ったうえで主張を展開できる弁護士を見つけることは必ずしも容易ではありません。会社の労務問題や企業経営に関して、普段から相談できる弁護士(顧問弁護士等)がいるかどうかで大きな差が付いてしまうのが労働審判です。

使用者や会社の担当部署において、労働審判への切迫した対応を余儀なくされている場合はもちろん、将来の労働紛争や労働審判を回避し、法的トラブルに伴うコストを削減したいとお考えであれば、是非、当事務所にご相談ください。

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