2026.08.31
過半数代表の不適正選出・就業規則手続違反疑い事件

1. 労働者の代表選出不正事案
2025年10月2日、茨城県つくば市にある学校法人と同法人の事務局責任者は、就業規則の変更時に労働者の過半数代表者を民主的手続で選ばず、指名で選出したうえ意見聴取もしなかったとして、労働基準法90条(作成の手続)違反の疑いで水戸地検土浦支部に書類送検されました。
さらに、労働組合がない同法人では、本来、教職員の過半数から選ばれた代表者と36協定を締結・届出すべきところ、選出方法が不適切なまま結んだ協定は無効と判断され、2024年4月1日から7月31日に協定不成立の状態で教員2人に時間外労働をさせたとして、同法人と理事長兼校長が労働基準法32条(労働時間)違反容疑で立件されています。
なお、同法人は令和6年6月6日に是正勧告を受け、令和7年10月2日付で捜査への協力と是正措置の実施を公表しています。
2. 就業規則の作成・変更手続きの要件
過半数代表の適正な選出と意見聴取は就業規則の作成・変更手続の要件であり、違反すると規則の効力や時間外労働の適法性に直結する問題となりえます。また、法定労働時間(1日8時間、週40時間)を超える時間外労働、または法定休日(毎週少なくとも1回、もしくは4週間を通じ4日以上の休日)の労働をさせる場合は、36協定を適法に締結・届出する必要があります。
今回の事件のように、過半数代表の選び方次第では、就業規則や時間外労働の適法性まで失われることがあります。過半数代表は、会社が指名するのではなく、労働者の多数決など民主的な方法で選ばれた人でなければなりません。
形式だけ整えても、実態が伴わなければ無効と判断されるおそれがあります。
「毎年やっていることだから」と過信せず、一度、自社の選出方法を見直してみましょう。

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