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2026.03.26

元社員の懲戒解雇を取引先へ“名指し説明”  東京地裁、プライバシー侵害を認定し5万円賠償命令(令和7年7月18日)

元社員の懲戒解雇を取引先へ“名指し説明”  東京地裁、プライバシー侵害を認定し5万円賠償命令(令和7年7月18日)

1. 判決の概要

東京地方裁判所は、取引先からの問い合わせ対応の際に元社員の氏名と懲戒理由まで伝えた企業の対応について、プライバシー侵害に当たるとして不法行為を認定して、会社に慰謝料5万円の支払いを命じました。

判決は、懲戒の有効・無効の判断とは別に、第三者への情報の伝え方自体が違法の対象になり得ることを明確にしています。

 

2. どんな事案だったか

対象となったのは静岡県内にある医療機関向けシステムを扱う企業です。

コロナ禍でも交際費が減らないことを不審に感じた会社が興信所に調査を依頼したところ、接待実態がないのに交際費を請求していた事実が判明し、関係社員を懲戒解雇しました。後日、取引先からサポート体制の不備について説明を求められた場面で、取締役は、営業の大量退職による一時的な人員不足に触れる中、原告である元社員を名指したうえで、交際費の不正受給による懲戒解雇をしたと説明しました。その後、取締役が取引先に説明した情報は元社員の転職先にまで広がったとされています。

>>懲戒解雇の会社側のデメリットとリスクの回避策を弁護士が分かりやすく解説!

 

3. 判決のポイント

この事件で東京地方裁判所は、

①懲戒解雇という事実は、一般に第三者に公表されたくない個人情報に当たる

②取引先への説明として個人名を挙げ、懲戒理由まで告げる必要性は認め難い

としており、懲戒解雇自体の有効性は肯定しつつも、名指しでの伝達行為はプライバシー権の侵害に当たり不法行為を構成するとしました。

 

4. まとめ

懲戒情報は、社会的評価を大きく左右するセンシティブな個人情報です。一度外部に出れば、転職先や関係先にまで拡散するおそれがあり、企業側に賠償責任が生じるリスクもあります。懲戒情報や退職の理由は、会社にとって説明の必要があっても、個人情報として極めて慎重に扱うべきです。

取引先などへの説明では、「担当者が退職した」「体制を見直した」など、個人名や理由を出さない伝え方を徹底しましょう。

>>懲戒解雇とは?トラブルにならない進め方・条件などについて弁護士が解説!

 

虎ノ門法律経済事務所では労使関係における様々なお悩みに対し、それぞれの会社にあったリーガルサービスをご提案しています。お気軽にお問い合わせください。

 

 

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